これ以上ない原爆のリアリティ
世界で唯一、原爆が投下された地の国民が共有すべき書物
世界で唯一、原子爆弾が投下された地の国民が共有すべき書物であろう。あれから70年が経ち、体験者も数少なくなっていく中で、戦争、取り分け原爆の悲惨さを語り継ぐのにこれ以上リアリティーのある教材はあるまい。私は中学校の図書館で読んだのが最初と記憶する。原爆に関して、ガラスの破片が体に突き刺さり、皮膚が溶けて流れる被爆者の描写に受けたその時のショックを超える体験はまだない。10数ヶ国語に翻訳され、世界的にも評価を受けている一方、日本では、日本軍の描き方や政治的なスタンスを巡り、児童に読ませることへの批判もある。だが、日本の安全保障が問い直される今、そうした批判も含め、原爆や戦争を考える材料として、評価を与えておきたい。
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世界で唯一、原子爆弾が投下された地の国民が共有すべき書物であろう。あれから70年が経ち、体験者も数少なくなっていく中で、戦争、取り分け原爆の悲惨さを語り継ぐのにこれ以上リアリティーのある教材はあるまい。私は中学校の図書館で読んだのが最初と記憶する。原爆に関して、ガラスの破片が体に突き刺さり、皮膚が溶けて流れる被爆者の描写に受けたその時のショックを超える体験はまだない。10数ヶ国語に翻訳され、世界的にも評価を受けている一方、日本では、日本軍の描き方や政治的なスタンスを巡り、児童に読ませることへの批判もある。だが、日本の安全保障が問い直される今、そうした批判も含め、原爆や戦争を考える材料として、評価を与えておきたい。
中村 伊知哉(iU学長)