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平和の国の島崎へ

平和の国の島崎へ へいわのくにのしまざきへ

著者
原作:濱田轟天 漫画:瀬下猛
発刊状況
未完

戦争は遠い世界の話ではない

推薦コメント

ロシアとウクライナの戦争は今も続いています。しかし、メディアで取り上げられる機会が減ると、私たちはつい、それを「遠い国の出来事」と感じてしまいがちです。『平和の国の島崎へ』は、そんな私たちに「世界は今も戦時中なのだ」と突きつける作品です。 主人公の生き様を通じて、人格が環境によって形成されること、そして、特殊な環境下で生きてきた者が平和な世界に適応しようとする苦悩が描かれます。しかし、彼の中に刻まれた「工作員」としての側面は簡単には消えず、平和な生活に戻りたくても、それを許さない現実がある。彼にとって本当の居場所はどこなのか、その問いが物語を通じて深く掘り下げられます。 戦争に関与した人々の心の傷や欠落、アイデンティティとの葛藤を描くことで、平和な日常がいかに貴重であるかを実感させられる作品です。しかし同時に、その平和がいつまでも続くとは限らないという緊張感も読者に突きつけます。もし自分が突然、戦争に巻き込まれたら――そんな極限状況の中で「自分はどうなるのか?」と考えざるを得ない、重くも目が離せない物語です。

山内 康裕(一般社団法人マンガナイト/レインボーバード合同会社 代表)

  • 発刊状況は2025年3月31日時点のものとなります。

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