歴史に予定調和は無い
昭和初期の満州で時代に翻弄される前途有望な青年たちを描く
昭和初期の満州が舞台。五族協和の理想の元、前途有望な青年ウムボルトをはじめとする人々が、時代に翻弄されていく姿を描く。著者の安彦良和さんは、歴史を通して私たちが本気で考えなければいけない問題を、いつも一足先に一生懸命考えてくださっているように思う。安彦作品は活劇的なおもしろさを十分持つ。だが、予定調和的なスカッとした物語にはならない。それは、実際の歴史というものがそうだからで、そこに大きな意味がある。だから、読者である私たちも、自分の頭で考え続けることの重要さに気づかされるのである。歴史家も驚くような指摘も盛り込まれたすごい作品。
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推薦コメント
昭和初期の満州が舞台。五族協和の理想の元、前途有望な青年ウムボルトをはじめとする人々が、時代に翻弄されていく姿を描く。著者の安彦良和さんは、歴史を通して私たちが本気で考えなければいけない問題を、いつも一足先に一生懸命考えてくださっているように思う。安彦作品は活劇的なおもしろさを十分持つ。だが、予定調和的なスカッとした物語にはならない。それは、実際の歴史というものがそうだからで、そこに大きな意味がある。だから、読者である私たちも、自分の頭で考え続けることの重要さに気づかされるのである。歴史家も驚くような指摘も盛り込まれたすごい作品。
ヤマダ トモコ(マンガ研究者 / 米沢嘉博記念図書館)