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風雲児たち

© みなもと太郎 / リイド社刊

風雲児たち ふううんじたち

小学生からOK
著者
みなもと 太郎
出版社
リイド社 ワイド版
発刊状況
完結

明治維新への大いなる伏線

歴史的事件の数々を痛快なギャグで笑いながら学べ

推薦コメント

ここまで歴史への眼を開かせてくれるマンガはほかにない。関ヶ原の戦いから幕末にいたるまで、鎖国が続く時代の日本に生きた風雲児たちがいきいきと目の前に現れる。明治維新が起こるべくして起きたのは、既に関ヶ原の戦いからその要因はあった。60年後に主役となった当時の脇役、薩摩藩島津家や長州藩毛利家といった諸藩の事情や人間の心理を描くことによって張られた伏線には、思わず「なるほど」とひざを打ちたくなる。新しい世界を知りたい。開国へのエネルギーは、蘭学の吸収や新しい知識の開明に文字通り命を懸けてきた人々によって脈々と受け継がれてきた。「解体新書」がこれほどまでの血みどろの努力で訳されたか、「風雲児たち」を読まなければ、その歴史的な意味に思いを馳せられなかったかもしれない。そして、その努力や新しい知識を理不尽なまでに取り締まる幕府の守旧派たち。日本のことを本当に考えた人々が取り締まられ、歴史の進歩の針が戻される度に、なんだかもどかしくなり、早くあの時代の日本を変えなければという感情が湧いてくるから不思議だ。そして、その痛快な人物たちや歴史的事件を、これでもかというくらい盛り込まれたギャグで、常に笑わせてくれる。こんなに楽しく歴史を学ばせてくれる本はない。歴史が好きな人にも嫌いな人にも、ぜひ読んでほしい作品だ。

本山 勝寛( 作家 / 日本財団 子どもの貧困対策チーム チームリーダー)

  • 発刊状況は2020年10月1日時点のものとなります。

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