人間の精神世界の神秘
脳に問題を持つ「患者」たちの孤立、交流、葛藤を描く
舞台は脳に問題を持つ青少年の治療とケアを目的にする医院。事故で脳に破片が残り、思う事感じる事をなんでも口に出してしまう 19 歳のハシ、人前でも突然、勝手にオーガズムが来る症状を持つ 21 歳のハナ、超健忘症の青年の 3 人の入院患者は、疾患のため社会と関わりを持てない。自分以外の人間を視認する事ができないため無人の世界に住む 6 歳のマリ、自分は宇宙人とコンタクト出来るスーパーヒーローだと信じ込む 10 歳の英雄も、孤立した子供達だ。彼ら 5 人は反発したり交わったりしながらそれぞれの入院生活を送っている。物語の中盤、彼らの主治医であり、自身も心の秘密を持つ玉木先生は「思えばハシ達の世界を『疾患』だと診てしまう事自体どうなんだ。降る様な星を見ると人間の脳細胞の数は今見ている無数の星より多いという事を思う」と自問する。このマンガは差別や偏見の対象となるマイノリティ(社会的少数派)をテーマにしていますが、同時に人間の精神世界の神秘や芸術的創造性にも思いを馳せたイメージ豊かな作品です。
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舞台は脳に問題を持つ青少年の治療とケアを目的にする医院。事故で脳に破片が残り、思う事感じる事をなんでも口に出してしまう 19 歳のハシ、人前でも突然、勝手にオーガズムが来る症状を持つ 21 歳のハナ、超健忘症の青年の 3 人の入院患者は、疾患のため社会と関わりを持てない。自分以外の人間を視認する事ができないため無人の世界に住む 6 歳のマリ、自分は宇宙人とコンタクト出来るスーパーヒーローだと信じ込む 10 歳の英雄も、孤立した子供達だ。彼ら 5 人は反発したり交わったりしながらそれぞれの入院生活を送っている。物語の中盤、彼らの主治医であり、自身も心の秘密を持つ玉木先生は「思えばハシ達の世界を『疾患』だと診てしまう事自体どうなんだ。降る様な星を見ると人間の脳細胞の数は今見ている無数の星より多いという事を思う」と自問する。このマンガは差別や偏見の対象となるマイノリティ(社会的少数派)をテーマにしていますが、同時に人間の精神世界の神秘や芸術的創造性にも思いを馳せたイメージ豊かな作品です。
由利 耕一(元マンガ編集者)