アイデンティティって何だ?
フランス、リビア、シリアで過ごした生活を描いた自伝的マンガ
現代の多くの日本人にとって、アラブ世界は身近な存在ではないだろう。「アラブ」と言えば、「アラビアン・ナイト」の世界のイメージがある一方で、紛争が続いているイメージがある。この豊かな文化との繋がりが、本作を読むとことで連想できるようになった。『未来のアラブ人』はシリア人の父親と、フランス人の母親をもつ著者のサトゥフさんが、6才まで過ごしたフランス、リビア、シリアでの生活を描いた自伝的なコミック。子どもの目線からそれぞれの国のいい面、理不尽な面を表現している。異文化やアイデンティについて考えさせられる作品だ。また、本作は全編カラー印刷で、フランスを舞台にした時はフランスの国旗の色にするなど、日本の文化とは違ったマンガ表現の奥行きを知ることもできる。
推薦コメント
現代の多くの日本人にとって、アラブ世界は身近な存在ではないだろう。「アラブ」と言えば、「アラビアン・ナイト」の世界のイメージがある一方で、紛争が続いているイメージがある。この豊かな文化との繋がりが、本作を読むとことで連想できるようになった。『未来のアラブ人』はシリア人の父親と、フランス人の母親をもつ著者のサトゥフさんが、6才まで過ごしたフランス、リビア、シリアでの生活を描いた自伝的なコミック。子どもの目線からそれぞれの国のいい面、理不尽な面を表現している。異文化やアイデンティについて考えさせられる作品だ。また、本作は全編カラー印刷で、フランスを舞台にした時はフランスの国旗の色にするなど、日本の文化とは違ったマンガ表現の奥行きを知ることもできる。
ヤマダ トモコ(マンガ研究者 / 米沢嘉博記念図書館)