©能條純一/半藤一利/永福一成/小学館
近現代史のおさらいに
ドキュメンタリーとして昭和天皇を描く
昭和天皇の人生を振り返った作品。真正面からこの題材をマンガにするということには、色々な思いが込められているのだろう。現代史のおさらいとして、頭に入れてほしいことが作品にはたくさん詰まっている。物語の主人公は国であり、それをどう表現するかという時に象徴する人物として昭和天皇が存在している。何かを賛美したり、貶めたり、そうした感情に触れるのではなく、一貫してドキュメンタリーとして描かれており、もちろん登場人物たちは主体性を持ち生きているが、リアルさを描いてきた能條さんの絵が、作品テーマに生きている。歴史を箇条書きとしてではなく、物語として振り返ることで、より時代を理解しやすくなるのではないだろうか。思春期の子にも、その時代の実感を掴んでもらうきっかけとして手に取ってほしい一作。
推薦コメント
昭和天皇の人生を振り返った作品。真正面からこの題材をマンガにするということには、色々な思いが込められているのだろう。現代史のおさらいとして、頭に入れてほしいことが作品にはたくさん詰まっている。物語の主人公は国であり、それをどう表現するかという時に象徴する人物として昭和天皇が存在している。何かを賛美したり、貶めたり、そうした感情に触れるのではなく、一貫してドキュメンタリーとして描かれており、もちろん登場人物たちは主体性を持ち生きているが、リアルさを描いてきた能條さんの絵が、作品テーマに生きている。歴史を箇条書きとしてではなく、物語として振り返ることで、より時代を理解しやすくなるのではないだろうか。思春期の子にも、その時代の実感を掴んでもらうきっかけとして手に取ってほしい一作。
里中 満智子(マンガ家 / マンガジャパン代表)