700年前の「つぶやき」をマンガに
鎌倉時代末期の随筆をマンガの名手が描くと
「徒然草」は鎌倉時代末期に吉田兼好(兼好法師)が書いた随筆。教養たっぷりの筆者が皮肉を込めて世を眺めたり、素直に色恋の味わいを述べたり、生の無常を呟いたり…が、全243段に綴られている。絵の名手バロン吉元氏は、この243全段を、短いものは一コマ、最長で5ページで描ききっている。それらの一コマずつを原作の文章と照らし合わせて味わうのも一興。作者のバロン吉元氏は「この作品が描かれた時代は後醍醐天皇の治世。その政治に対する批判精神が兼好法師にはあったのでは?」と見ている。いつの世も政権への批判はあるが、それをどう表現するかがセンスと実力なのだろう。243段全て描ききったラストページにはバロン氏のオリジナルで「無常」を表現する1ページが付け加えられている。兼好法師もきっと満足だろうと思わせるページだ。
推薦コメント
「徒然草」は鎌倉時代末期に吉田兼好(兼好法師)が書いた随筆。教養たっぷりの筆者が皮肉を込めて世を眺めたり、素直に色恋の味わいを述べたり、生の無常を呟いたり…が、全243段に綴られている。絵の名手バロン吉元氏は、この243全段を、短いものは一コマ、最長で5ページで描ききっている。それらの一コマずつを原作の文章と照らし合わせて味わうのも一興。作者のバロン吉元氏は「この作品が描かれた時代は後醍醐天皇の治世。その政治に対する批判精神が兼好法師にはあったのでは?」と見ている。いつの世も政権への批判はあるが、それをどう表現するかがセンスと実力なのだろう。243段全て描ききったラストページにはバロン氏のオリジナルで「無常」を表現する1ページが付け加えられている。兼好法師もきっと満足だろうと思わせるページだ。
里中 満智子(マンガ家 / マンガジャパン代表)