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ミステリと言う勿れ

ミステリと言う勿れ みすてりというなかれ

小学生からOK
著者
田村由美
出版社
小学館
発刊状況
未完

角度を変えればガラリと変わる

日常の「当たり前」を覆し、まっすぐに本質を射抜く主人公

推薦コメント

第1話となる読み切り作品を読んだ時、驚愕した。こんな作品があるんだ! と思った。間違いなく新しいジャンルを切り拓いた、歴史に残る傑作だ。事件は起こる。しかしその謎解きが主眼ではない。読み進むうちに目からウロコがぽろぽろ落ちる。次々と盛大に落ちる。主人公・整(ととのう)が語るのは、物事を別の側面から見てみること、物事の本質を見極めること。たとえば彼は言う。日本の解説者はメジャーリーガーの監督や選手が子供のイベントを理由に試合を休むと、「奥さんが怖いんでしょうねえ…」という。彼らには、メジャーリーガーが行きたくて行ってることが理解できない。なぜなら自分がそう思ったことがないから。「メジャーリーガーは子供の成長に立ち会うことを父親の権利だと思い、日本側の解説者たちは義務だと思っている。そこには、天と地ほど差があるんですよ」。あるいは、「なぜ人を殺してはいけないのか」に対する整の答とは? 男性にこそ、読んでほしい。

藤本 由香里(明治大学 国際日本学部教授)

  • 発刊状況は2020年10月1日時点のものとなります。

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