女性警察官のリアルな目線をコミカルに描く
スリや痴漢、痴話げんかの仲裁に汗をかく、等身大の警察官の日常
むさくるしい男社会に生きる若い女性警官の奮戦記。テレビや映画の警察モノのような、大事件や巨悪を追うアクション、サスペンス、推理モノではなく、スリや痴漢、痴話げんかの仲裁に汗をかく等身大の警察官の日常がていねいに描かれる。登場人物たちも、ヘタレでめんどくさがり、恋もしたいし遊びもしたい、徹夜続きや危険な職務のブラックさにブツブツ文句もたれる。けれど鬼の形相が染み付いた上司や先輩たちはみな心根がやさしく、気配りも一級品だ。見えない所で命をかける、世間から評価されない、そんな仕事に一所懸命に打ち込むことの美しさがそこにある。きめ細かなセリフと表情の応酬が紡ぎ出す上品なギャグマンガでもある。一コマに込められた味わいが深く、読み進めるのに時間がかかる。「こち亀」のような破天荒なキャラがいなくても警察はネタの宝庫。警察に10年勤めてマンガ家に転身した作者ならではの、現場への愛情とリアリティの結晶。
推薦コメント
むさくるしい男社会に生きる若い女性警官の奮戦記。テレビや映画の警察モノのような、大事件や巨悪を追うアクション、サスペンス、推理モノではなく、スリや痴漢、痴話げんかの仲裁に汗をかく等身大の警察官の日常がていねいに描かれる。登場人物たちも、ヘタレでめんどくさがり、恋もしたいし遊びもしたい、徹夜続きや危険な職務のブラックさにブツブツ文句もたれる。けれど鬼の形相が染み付いた上司や先輩たちはみな心根がやさしく、気配りも一級品だ。見えない所で命をかける、世間から評価されない、そんな仕事に一所懸命に打ち込むことの美しさがそこにある。きめ細かなセリフと表情の応酬が紡ぎ出す上品なギャグマンガでもある。一コマに込められた味わいが深く、読み進めるのに時間がかかる。「こち亀」のような破天荒なキャラがいなくても警察はネタの宝庫。警察に10年勤めてマンガ家に転身した作者ならではの、現場への愛情とリアリティの結晶。
中村 伊知哉(iU学長)