時代と国境を超える“お風呂愛”
日本人には縁遠く感じる古代ローマがグッと身近に
古代ローマといえば、今日の西欧社会に今もなお影響を及ぼしている、世界史のなかでも最も重要な時代の一つ。そのなかでも、ローマ帝国の五賢帝の時代といえば、カタカナの似たような名前がたくさん出てきて難しいといった印象しかない人も多いのでは。本作は、当時ローマ帝国に存在していた「テルマエ=大衆浴場」の技師である主人公が、温泉・入浴文化が極度に発達した現代日本にタイムスリップするというマンガならではの設定によって、日本人には縁遠いイメージのローマ帝国を、見事に楽しく身近なものにしてくれる。二千年前に浴場文化とそれを可能にする高度な技術があったことへの驚き、国境と時代を超えてお風呂を愛する現代日本と共通の文化が存在したことの不思議さ。さらに、古代ローマの浴場技師という視点から、日本の文化を見つめることで、新鮮なまでに日本の良さを再発見させてくれる。テルマエ・ロマエを読むと、自分もタイムスリップして、古代ローマの大衆浴場に入ってみたいと思えてくるから不思議だ。古代ローマ史に通ずる道は、まずは「テルマエ・ロマエ」を読んで、思いっきり笑うことからだ。
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推薦コメント
古代ローマといえば、今日の西欧社会に今もなお影響を及ぼしている、世界史のなかでも最も重要な時代の一つ。そのなかでも、ローマ帝国の五賢帝の時代といえば、カタカナの似たような名前がたくさん出てきて難しいといった印象しかない人も多いのでは。本作は、当時ローマ帝国に存在していた「テルマエ=大衆浴場」の技師である主人公が、温泉・入浴文化が極度に発達した現代日本にタイムスリップするというマンガならではの設定によって、日本人には縁遠いイメージのローマ帝国を、見事に楽しく身近なものにしてくれる。二千年前に浴場文化とそれを可能にする高度な技術があったことへの驚き、国境と時代を超えてお風呂を愛する現代日本と共通の文化が存在したことの不思議さ。さらに、古代ローマの浴場技師という視点から、日本の文化を見つめることで、新鮮なまでに日本の良さを再発見させてくれる。テルマエ・ロマエを読むと、自分もタイムスリップして、古代ローマの大衆浴場に入ってみたいと思えてくるから不思議だ。古代ローマ史に通ずる道は、まずは「テルマエ・ロマエ」を読んで、思いっきり笑うことからだ。
本山 勝寛( 作家 / 日本財団 子どもの貧困対策チーム チームリーダー)