©増田こうすけ/集英社
超・自由な歴史人物伝!?
聖徳太子、松尾芭蕉、ペリーなどが登場するギャグマンガ
古今東西のあらゆる人やものに材をとり、限りなく自由に描かれたギャグマンガ。ペリー、ライト兄弟、ニュートン、伊能忠敬など国内外の偉人が多数登場するほか、準レギュラーとして聖徳太子と小野妹子、松尾芭蕉とその弟子・河合曽良が登場するが、その描かれ方は、たとえば「摂政と遣隋使」「俳人の師弟」といった、もっとも基本的な情報以外は、まったく史実に則っていない(なにしろ、太子と妹子は揃いのジャージを着ているし、曽良は師匠である芭蕉に暴言ばかり吐いている)。それでもこの作品が「歴史の学び」につながるといえるのは、彼らの異常なキャラクター性と「なんでもあり」なギャグによるインパクトが、その名を覚えさせずにはおかないから。メジャーなところからちょっと渋いところまで、歴史上の人物を「知る」きっかけにはうってつけだ。90年代の不条理系ブームの後に登場し新たなギャグマンガの系譜を作った、「マンガの歴史」上でも重要な作品。
推薦コメント
古今東西のあらゆる人やものに材をとり、限りなく自由に描かれたギャグマンガ。ペリー、ライト兄弟、ニュートン、伊能忠敬など国内外の偉人が多数登場するほか、準レギュラーとして聖徳太子と小野妹子、松尾芭蕉とその弟子・河合曽良が登場するが、その描かれ方は、たとえば「摂政と遣隋使」「俳人の師弟」といった、もっとも基本的な情報以外は、まったく史実に則っていない(なにしろ、太子と妹子は揃いのジャージを着ているし、曽良は師匠である芭蕉に暴言ばかり吐いている)。それでもこの作品が「歴史の学び」につながるといえるのは、彼らの異常なキャラクター性と「なんでもあり」なギャグによるインパクトが、その名を覚えさせずにはおかないから。メジャーなところからちょっと渋いところまで、歴史上の人物を「知る」きっかけにはうってつけだ。90年代の不条理系ブームの後に登場し新たなギャグマンガの系譜を作った、「マンガの歴史」上でも重要な作品。
ヤマダ トモコ(マンガ研究者 / 米沢嘉博記念図書館)