双子の兄弟と2つの文明
いったい世界はどうあるべきなのか。あなたならどう考える?
この作品は、最初がすこしとっつきにくい。SFだからだ。でも、最初の設定さえ頭に入ってしまえば大丈夫。あとはもう、夢中で読んでいけるはずだ。主人公はまったく違う部族・違う環境で育てられた双子の兄弟。この世界では双子はつよい共鳴力を持つ。と同時に、この主人公の双子は、自然や社会に対する、文明の二つの態度を象徴する。一つは、「自然」も「人の心」も強い力で意識的に支配し、コントロールしようとする文明。もう一つは、「自然」には逆らわず、「自然」にも「人」にも寄り添って、相手が自分から力を貸してくれるのを待つ、という文明。いわば西洋文明と東洋文明の対立だ。物語はこれからクライマックス。いったい世界はどうあるべきなのか。スリリングな展開にどきどきしながら、文明の二つのあり方を考える基礎を、知らず知らずのうちに知るはずだ。
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推薦コメント
この作品は、最初がすこしとっつきにくい。SFだからだ。でも、最初の設定さえ頭に入ってしまえば大丈夫。あとはもう、夢中で読んでいけるはずだ。主人公はまったく違う部族・違う環境で育てられた双子の兄弟。この世界では双子はつよい共鳴力を持つ。と同時に、この主人公の双子は、自然や社会に対する、文明の二つの態度を象徴する。一つは、「自然」も「人の心」も強い力で意識的に支配し、コントロールしようとする文明。もう一つは、「自然」には逆らわず、「自然」にも「人」にも寄り添って、相手が自分から力を貸してくれるのを待つ、という文明。いわば西洋文明と東洋文明の対立だ。物語はこれからクライマックス。いったい世界はどうあるべきなのか。スリリングな展開にどきどきしながら、文明の二つのあり方を考える基礎を、知らず知らずのうちに知るはずだ。
藤本 由香里(明治大学 国際日本学部教授)