華麗でアナーキーな平安絵巻!
男は女に、女は男に。「性別入れ替えもの」の原型です
関白左大臣の異なる妻に相次いで生まれた二人の子は、女君は元気で男っぽく、男君は引っ込み思案で女の子っぽい。しかし二人の顔はそっくり。二人が成人を迎えるにあたり、「ええい、二人を取り替えてしまえ!」。かくして女の子は公達として、男の子は姫君として成人することに!百年近く前に書かれた、「性別入れ替えもの」の原型ともいえる作品で、古典の授業で習った人もいるんじゃないかな。実際に読むと、単なる性別入れ替えにとどまらない、かなりぶっとんだ展開にびっくり。でも実は、さいとうちほさんのこの作品が、他のマンガ化作品よりいちばん原作に忠実なんです。きちんと時代考証された絢爛豪華な絵が、あなたを平安絵巻そのものの世界に、そして物語の奥深くに誘(いざな)ってくれます。と同時に、平安時代の物語のアナーキーさにびっくりすることでしょう。
推薦コメント
関白左大臣の異なる妻に相次いで生まれた二人の子は、女君は元気で男っぽく、男君は引っ込み思案で女の子っぽい。しかし二人の顔はそっくり。二人が成人を迎えるにあたり、「ええい、二人を取り替えてしまえ!」。かくして女の子は公達として、男の子は姫君として成人することに!百年近く前に書かれた、「性別入れ替えもの」の原型ともいえる作品で、古典の授業で習った人もいるんじゃないかな。実際に読むと、単なる性別入れ替えにとどまらない、かなりぶっとんだ展開にびっくり。でも実は、さいとうちほさんのこの作品が、他のマンガ化作品よりいちばん原作に忠実なんです。きちんと時代考証された絢爛豪華な絵が、あなたを平安絵巻そのものの世界に、そして物語の奥深くに誘(いざな)ってくれます。と同時に、平安時代の物語のアナーキーさにびっくりすることでしょう。
藤本 由香里(明治大学 国際日本学部教授)