©秋本治・アトリエびーだま/集英社
マジメにふざけた! 両さんとみんなの40年
日本一有名なおまわりさん・両さんの破天荒な日常
国民的作品『こち亀』(こちら葛飾区亀有公園前派出所)は40年に渡り、世代交代するはずの少年誌連載にもかかわらず、時代と世代を乗り越えて愛され続けた。毎週毎週、生活感溢れるネタから宇宙開発、環境問題まで取り入れながら、読者を飽きさせず、程よいオチをつけながら主人公の両さんを暴れさせ続けた。自分勝手ではた迷惑な両さんは悪役でしかないはずなのに…両さんが欲に駆られてバカな真似を目論むと、つい「うまくいきますように」と願ってしまう。少年誌で、非常識なおじさんが主人公でありつづけるのは奇跡としか思えない。登場人物たちもこの困った存在である両さんを受け入れてしまっている。この人間関係が読む者を心地良くしてくれる。理屈抜きに面白いクロウト技の作品だ。作者は尋常ならざる真面目さで、両さんの悪ふざけが一種の「芸」にまで到達する過程を描いている。日本の少年たちにとって両さんは心のおやつなのだ。
推薦コメント
国民的作品『こち亀』(こちら葛飾区亀有公園前派出所)は40年に渡り、世代交代するはずの少年誌連載にもかかわらず、時代と世代を乗り越えて愛され続けた。毎週毎週、生活感溢れるネタから宇宙開発、環境問題まで取り入れながら、読者を飽きさせず、程よいオチをつけながら主人公の両さんを暴れさせ続けた。自分勝手ではた迷惑な両さんは悪役でしかないはずなのに…両さんが欲に駆られてバカな真似を目論むと、つい「うまくいきますように」と願ってしまう。少年誌で、非常識なおじさんが主人公でありつづけるのは奇跡としか思えない。登場人物たちもこの困った存在である両さんを受け入れてしまっている。この人間関係が読む者を心地良くしてくれる。理屈抜きに面白いクロウト技の作品だ。作者は尋常ならざる真面目さで、両さんの悪ふざけが一種の「芸」にまで到達する過程を描いている。日本の少年たちにとって両さんは心のおやつなのだ。
里中 満智子(マンガ家 / マンガジャパン代表)