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4社会

逃げるは恥だが役に立つ にげるははじだがやくにたつ
- 著者
- 海野 つなみ
- 出版社
- 講談社
- 発刊状況
- 完結
「結婚」の意味を改めて問う
契約結婚の夫婦をモデルに考える、十人十色の恋愛・結婚観
- ※発刊状況は 2020 年 10 月 1 日時点のものとなります。
- ※小学生から OK はあくまで委員会の判断による目安となります。
推薦コメント
奥手な30代理系男性と普通の(?)20代女性の、「雇用主」と「従業員」としての「契約結婚」を描いた作品。しっかりと愛情を育んでいきながらも、この2人の関係性には、「愛情」という形のないものを担保になにかをごまかすような、あいまいな部分がないところがユニークだ。主人公たち以外にも、50代独身バリキャリ女性、ゲイの男性、モテるが結婚願望はないイケメン独身男性…と、とにかく多彩な人物が登場するが、そこに注がれる作者の視線はきわめてニュートラルで、静かで、客観的。冷たく突き放すわけでも、誰かの立場に肩入れしているわけでもない。この世界では誰もがお互いを尊重し合い、しっかりとコミュニケートしながら生きているのだ。あらゆる「社会的なあり方」が否定されないその様子は、現代社会の理想像のひとつといえるかもしれない。読んだ誰もが、恋愛観・結婚観について何らかの知見を得られる一作。
ヤマダ トモコ(マンガ研究者 / 米沢嘉博記念図書館)
ヤマダ トモコ
Tomoko Yamada
マンガ研究者 / 米沢嘉博記念図書館
1967 年生まれ。富山県高岡市出身。明治大学米沢嘉博記念図書館展示・イベント担当スタッフ。日本マンガ学会理事。2013 年「バレエ・マンガ~永遠なる美しさ~」展総合監修、2015 年「『描く!』マンガ展」展示構成アシスタント・図録編集などマンガ展の仕事や、少女マンガ関係のライター仕事が多い。