
マンガをさがす
11多様性

母さんがどんなに僕を嫌いでも かあさんがどんなにぼくをきらいでも
小学生から OK
- 著者
- 歌川たいじ
- 出版社
- KADOKAWA
- 発刊状況
- 完結
これを読んで救われる人が、きっといる。
「僕はブタじゃない!」自分の人生を自分の手に取り戻すために。
- ※発刊状況は 2020 年 10 月 1 日時点のものとなります。
- ※小学生から OK はあくまで委員会の判断による目安となります。
推薦コメント
子供のころ、「自分は親に愛されていないのでは?」と思う子供は多い。たいていの場合は一時的な誤解。でも残念ながら、客観的にみても「これは…」と思うケースもある。自伝的な作品である本書で、町工場を経営する家に生まれた作者は、子どものころからずっと母親からのネグレクトにあっていたことを告白する。荒れ、孤独を抱えていた自分に唯一優しくしてくれたのは、工場で働く人たち。なかでも、パートの「ばあちゃん」が最期に残してくれた言葉が作者の大きな転機となる。周囲から否定的な言葉しか投げられない中で、どうやって自分を肯定するか。自分の人生をどうやって自分の手に取り戻すか。ゲイである著者がパートナーとの今の関係を築いていく過程、そして長い時間を経ての母親との再会。この本を読んで救われる人が必ずいるに違いない。
藤本 由香里(明治大学 国際日本学部教授)
藤本 由香里
Yukari Fujimoto
明治大学 国際日本学部教授
専門は「漫画文化論」「ジェンダーと表象」など。2007 年まで筑摩書房で編集者として働くかたわら、コミック・セクシュアリティなどを中心に評論活動を行う。2008 年より明治大学へ。講談社漫画賞・手塚治虫文化賞・メディア芸術祭マンガ部門等の選考委員を歴任。最近ではとくに、マンガの国際比較や海外市場調査などを行っている。著書に『私の居場所はどこにあるの?』(朝日文庫)、『快楽電流』(河出書房新社)『少女まんが魂』(白泉社)、『愛情評論』(文藝春秋)など。近著に『きわきわ』(亜紀書房)がある。