「先生、ありがとう。」
「描くこと」の師との楽しくて狂おしい心の交流を描く自叙伝
先生との交わりを通じた女性マンガ家の自叙伝。竹刀をふるう絵画教室の熱血教師に、絵の天才という自信を叩き壊され、「描く」ことを徹底して繰り返させられる。受験、大学生活、都会生活、仕事、どの場面でも、陰に陽に先生の姿がある。反発し、逃げ、挫折し、また教えられ、後悔し、いつしか深く感謝する。自分は自堕落で、ダメなところだらけだ。その幼さは、若いころにはわからない。ドロドロの下積みのさなかに、未来は見えない。単純に体に染み込ませることだけが頼りになることもある。大人になり、親になってわかることもある。深い愛情に気づくこともある。「描け」、「大丈夫」、そんな言葉の繰り返しが、自分の血肉になっていたことを知る。が、そのときには手遅れになっている。先生、ありがとう。成功物語と裏表をなす失敗物語。楽しくて、狂おしい。2015 年、マンガ大賞及び文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞。
推薦コメント
先生との交わりを通じた女性マンガ家の自叙伝。竹刀をふるう絵画教室の熱血教師に、絵の天才という自信を叩き壊され、「描く」ことを徹底して繰り返させられる。受験、大学生活、都会生活、仕事、どの場面でも、陰に陽に先生の姿がある。反発し、逃げ、挫折し、また教えられ、後悔し、いつしか深く感謝する。自分は自堕落で、ダメなところだらけだ。その幼さは、若いころにはわからない。ドロドロの下積みのさなかに、未来は見えない。単純に体に染み込ませることだけが頼りになることもある。大人になり、親になってわかることもある。深い愛情に気づくこともある。「描け」、「大丈夫」、そんな言葉の繰り返しが、自分の血肉になっていたことを知る。が、そのときには手遅れになっている。先生、ありがとう。成功物語と裏表をなす失敗物語。楽しくて、狂おしい。2015 年、マンガ大賞及び文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞。
中村 伊知哉(iU学長)