「人間とは何か」を問い続ける
哲学への誘いの書
「なんて文学的な世界があるんだろうか」と、マンガの持つ可能性を広めてくれた作品。手塚治虫の『火の鳥』が持っているような、読み応えがあり、力を持つ作品にはなかなか出会えない。両者で共通して言えるのは、人間の成長していく姿を描いている訳ではないということ。すごいことを成し遂げるなど、立派な人として主人公が描かれる作品は多いが、本作は人間社会を観察した視点から、良いことも悪いことも全部を含んでいる「これぞ人間」を描いている。善も悪も内包し、どちらに転ぶのかがわからないのが人間社会なのだ。「人間とは何だろうか」と問い続けている「哲学」へのいざないの書。
推薦コメント
「なんて文学的な世界があるんだろうか」と、マンガの持つ可能性を広めてくれた作品。手塚治虫の『火の鳥』が持っているような、読み応えがあり、力を持つ作品にはなかなか出会えない。両者で共通して言えるのは、人間の成長していく姿を描いている訳ではないということ。すごいことを成し遂げるなど、立派な人として主人公が描かれる作品は多いが、本作は人間社会を観察した視点から、良いことも悪いことも全部を含んでいる「これぞ人間」を描いている。善も悪も内包し、どちらに転ぶのかがわからないのが人間社会なのだ。「人間とは何だろうか」と問い続けている「哲学」へのいざないの書。
佐渡島 庸平(株式会社コルク 代表取締役)