心の“耳”をすましてみよう
言葉にならないものにこそ 本当に大切なコトが隠れてる
「いじめはいけない」「障害者を差別してはいけない」――学校でも社会でもよく聞かされる。果たして、私たちは本当にその意味を考え、噛みしめているのだろうか?何か特別なものとして、特別に用意された場所に置いておけばよいと思っていないだろうか?本作品は、耳が聞こえない子をいじめて転校させた主人公が、逆にクラスでいじめられるようになり人生が変わってしまうというストーリーだ。「あの時は傷つけ合うことでしかこえを伝えられなかった」、その過去の後悔に向き合い、自分がいじめてしまった子にもう一度会いに行くことで、自分自身にも向き会おうとする葛藤と変化を描いている。人が人を知ろうとすること。人の心の声を聞こうとすること。自分の心の声を聞こうとすること。その難しさと尊さを考えさせてくれる。私たちは、声が聞こえていれば、すべてを知っているのだろうか?自分の本当の声にすら、耳を傾けられていないのではないだろうか?作中には、手話のシーンがよく出てくる。そして、筆談。メール。手紙。プレゼント。行動。様々な表情。一つ一つに「聲の形」があって、お互いに向き合って、心を傾け合うことで、ようやく本当の「こえ」を伝え合うことが可能なのかもしれない。主人公は、「聞こえない世界」を知ろうとする過程で、これまで自分が聞こうとしてこなかった本当の「こえ」に出会う。私たちは、大切な人の「こえ」をきいているだろうか?
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「いじめはいけない」「障害者を差別してはいけない」――学校でも社会でもよく聞かされる。果たして、私たちは本当にその意味を考え、噛みしめているのだろうか?何か特別なものとして、特別に用意された場所に置いておけばよいと思っていないだろうか?本作品は、耳が聞こえない子をいじめて転校させた主人公が、逆にクラスでいじめられるようになり人生が変わってしまうというストーリーだ。「あの時は傷つけ合うことでしかこえを伝えられなかった」、その過去の後悔に向き合い、自分がいじめてしまった子にもう一度会いに行くことで、自分自身にも向き会おうとする葛藤と変化を描いている。人が人を知ろうとすること。人の心の声を聞こうとすること。自分の心の声を聞こうとすること。その難しさと尊さを考えさせてくれる。私たちは、声が聞こえていれば、すべてを知っているのだろうか?自分の本当の声にすら、耳を傾けられていないのではないだろうか?作中には、手話のシーンがよく出てくる。そして、筆談。メール。手紙。プレゼント。行動。様々な表情。一つ一つに「聲の形」があって、お互いに向き合って、心を傾け合うことで、ようやく本当の「こえ」を伝え合うことが可能なのかもしれない。主人公は、「聞こえない世界」を知ろうとする過程で、これまで自分が聞こうとしてこなかった本当の「こえ」に出会う。私たちは、大切な人の「こえ」をきいているだろうか?
本山 勝寛( 作家 / 日本財団 子どもの貧困対策チーム チームリーダー)