リトル・フォレスト りとる・ふぉれすと

東北地方のとある村の中の小さな集落に友達が引っ越して行って、村の食べ物や出来事を描いたきれいな絵手紙を季節ごとに送ってくれる、そんな感じで始まるマンガです。 第 1 話はグミの実のジャムを作るお話。グミの木から採ってきた実をザルで濾して種を取り、汁の重さの 60% の砂糖を入れて味を見ながら煮詰める。酸っぱかったら砂糖を足す（上限 100% くらい）。ザル一杯のグミから小ビン 3 本のジャムができる。こんな感じで、さまざまな野菜や果物や穀物や鳥獣を村ではどうやって育てて、採って、調理して、美味しく食べられるようにするかが順を追って丁寧に描いてあります。でも単なるレシピマンガではありません。自然の恵みを自分の手で食料に加工していく知恵や技術を受け継いでいくことは、人間本来の大切な営みなのだという作者の思いが伝わってきます。工業化された都会の食文化に対する警鐘でもあります。