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2生命と世界
星守る犬

星守る犬 ほしまもるいぬ

小学生から OK

著者
村上たかし
出版社
双葉社
発刊状況
完結
電子書籍化

誰もが誰かの、かけがえのない存在

孤独な「おとうさん」に寄り添う犬・ハッピーの物語

推薦コメント

ひと言で言えば、犬と一人の男との切ない絆の物語…。  犬と人間の関係が描かれた創作物は沢山あるが、物語や登場人物の理解に繋げるために、人間の言い分を語る部分に重点がおかれがちだ。しかし、犬の視線で描かれた本作は「犬が理解した状況」で語られるので、男の内面の葛藤などは読者の想像にゆだねられる部分が多い。 男を「お父さん」とよぶハッピーはただひたすらお父さんに寄り添い、無一文になったお父さんが旅の果てに車中で死んでも「お父さん、起きて」と寄り添い、遺体が腐敗してきても「お父さん、くさいですよ」と心配する。ハッピーもお腹が空くが、バーベキューキャンプ場で餌をあさったり、人に追い払われて怪我をしたり…やがて、変わり果てたお父さんの遺体に寄り添って死んでいく。 ごく普通のおじさんと、犬として当たり前の素直さを持った犬とのささやかな物語だ。ハッピーの立場がつらすぎて、犬好きの人にとっては「二度と読みたくない」と思わせるほど切ない。お父さんとハッピーはこれで幸せだった…という甘い感想を拒否する覚悟を感じる結末だ。 でも、おそらく世の多くの人の中にも「不器用でいい加減で気が弱くて、自分の立場を真剣に見つめる恐ろしさから目をそらしている、お父さん」が、いっぱい居るはずだ。生き方、死に方、感じ方、受け止め方、さまざまな見つめ方をじんわりと伝えてくれる作品だ。

里中 満智子(マンガ家 / マンガジャパン代表)

里中 満智子
Machiko Satonaka

マンガ家 / マンガジャパン代表

1948 年1 月 24日大阪生まれ。1964 年(高校 2 年生)に『ピアの肖像』で第 1 回講談社新人漫画賞受賞。代表作に『あした輝く』『アリエスの乙女たち』『海のオーロラ』 『あすなろ坂』『狩人の星座』『天上の虹』 など多数。2006 年に全作品及び文化活動に対し文部科学大臣賞、2010 年文化庁長官表彰、2013 年度古事記出版大賞太安万侶賞(『マンガ古典文学 古事記』)、2014 年外務大臣表彰。公益社団法人日本漫画家協会常務理事 / 一般社団法人マンガジャパン代表 / NPO 法人 アジア MANGA サミット運営本部代表 / デジタルマンガ協会会長 / 大阪芸術大学キャラクター造形学科学科長など。

  • 発刊状況は 2017 年 10 月 1 日時点のものとなります。
  • 小学生から OK はあくまで委員会の判断による目安となります。

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