リアルな緊張感と笑いで描く「福島」
福島第一原発作業員という生活者の毎日をルポタージュ
作者自らが福島第一原発作業員として働いた経験をもとにしたルポ漫画。現場の一つ一つの規則や作業服などの様子から伝わる緊張感とともに、そのなかにある日常性や笑いまでが冷静なタッチで描かれている。主観的な主張の押し付けを極力廃し、現実の体験をそのまま読者に提供してくれる。しかも、緊張感と笑いという二面性をセットにして。まさにマンガだからこそでき、このテーマの場合はマンガでしかできない表現かもしれない。原発の是非や原発事故後の福島を考えることは、日本人として必須のテーマ。しかし、その議論は、とかく思想に左右され大上段に語られることが多い。そういった「フクシマの真実」を暴こうといった大げさなものではなく、著者自らの目で見てきた「福島の現実」を丁寧に描いている。だからこそ、読者自身に現実を知らせ、考える材料を提供してくれる。大人から子どもまで多くの人に読んでもらいたい。
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推薦コメント
作者自らが福島第一原発作業員として働いた経験をもとにしたルポ漫画。現場の一つ一つの規則や作業服などの様子から伝わる緊張感とともに、そのなかにある日常性や笑いまでが冷静なタッチで描かれている。主観的な主張の押し付けを極力廃し、現実の体験をそのまま読者に提供してくれる。しかも、緊張感と笑いという二面性をセットにして。まさにマンガだからこそでき、このテーマの場合はマンガでしかできない表現かもしれない。原発の是非や原発事故後の福島を考えることは、日本人として必須のテーマ。しかし、その議論は、とかく思想に左右され大上段に語られることが多い。そういった「フクシマの真実」を暴こうといった大げさなものではなく、著者自らの目で見てきた「福島の現実」を丁寧に描いている。だからこそ、読者自身に現実を知らせ、考える材料を提供してくれる。大人から子どもまで多くの人に読んでもらいたい。
本山 勝寛( 作家 / 日本財団 子どもの貧困対策チーム チームリーダー)