“病理医のブラックジャック”が主人公
病理医の役割と苦悩までを描く
岸京一郎(きし・けいいちろう)は白衣を着ない、超変わり者だが腕のいい病理(専門)医。病理医とは「生検や病理解剖などを行って、病気の原因過程を診断する専門の医師」のこと。その鑑別は臨床医の診断を確定させたり、治療の効果を図るなど、重要な役割がある。だが、患者と直接関わることはないため、岸先生いわく、「臨床医と対立することはあっても、患者に感謝されることはない。あるのは責任だけだ」という“縁の下の力持ち”、黒子的な存在だ。この作品は、人知れず患者を救う病理医の役割が分かると共に、医師としてのやりがいという意味での苦悩も描いている。岸先生は、同じ科で自分を追い込んでしまうタイプの若手女性医師・宮崎や本当は医師になりたかったが金銭的な理由で技師に留まっている森井に対して、厳しく、時に意地悪そうに見える態度で接しながらも、核心を突く言葉で気持ちを支える、まさに病理医にふさわしい性格だ。“病理医のブラックジャック”ともいえる岸先生の魅力に触れたら、全国で約2600人、全医師数の中で1%以下という病理医になりたいという人も増えるはずだ。
推薦コメント
岸京一郎(きし・けいいちろう)は白衣を着ない、超変わり者だが腕のいい病理(専門)医。病理医とは「生検や病理解剖などを行って、病気の原因過程を診断する専門の医師」のこと。その鑑別は臨床医の診断を確定させたり、治療の効果を図るなど、重要な役割がある。だが、患者と直接関わることはないため、岸先生いわく、「臨床医と対立することはあっても、患者に感謝されることはない。あるのは責任だけだ」という“縁の下の力持ち”、黒子的な存在だ。この作品は、人知れず患者を救う病理医の役割が分かると共に、医師としてのやりがいという意味での苦悩も描いている。岸先生は、同じ科で自分を追い込んでしまうタイプの若手女性医師・宮崎や本当は医師になりたかったが金銭的な理由で技師に留まっている森井に対して、厳しく、時に意地悪そうに見える態度で接しながらも、核心を突く言葉で気持ちを支える、まさに病理医にふさわしい性格だ。“病理医のブラックジャック”ともいえる岸先生の魅力に触れたら、全国で約2600人、全医師数の中で1%以下という病理医になりたいという人も増えるはずだ。
細田 尚子(株式会社 MANTAN 元総編集長)