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2018.07.31

2018年6月13~16日に台北市・新北市にて開催された第17回「国際マンガサミット台湾大会」。前回お届けしたトークショー「マンガで学ぶ、マンガを学ぶ」レポートに続き、後編の今回は、トークショーに先立ち実施したアンケート報告&現地の図書館訪問記の2本立てでお届けします。

前編の記事はこちら

 

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『ヒカ碁』『B・J』…台北学生の愛読マンガは? 「マンガと学び」アンケート報告

 

アンケートは新北市にあるマンガ・アニメ制作を学べる学校、角川国際動漫教育の生徒さんを対象として、2018年6月、専用ウェブページ上で実施しました。以下は、回答からの抜粋です。

 

Q1.一番好きなマンガ作品は何ですか?

 

・『ヒカルの碁』  ・『ゴールデンカムイ』  ・『賭けグルイ』  ・『ONE PIECE』

・『NARUTO』  ・『ダンジョン飯』  ・『ブラック・ジャック』  ・『ワンパンマン』

・『文豪ストレイドッグス』  ・『GUNSLINGER GIRL』  ・『封神演義』

・『鋼の錬金術師』  ・『彼氏彼女の事情』  ・『SLAM DUNK』  ・『D-Gray-man』

・『ケロロ軍曹』  ・『金色のガッシュ!!』  ・『聖☆おにいさん』               ほか

 

日本でも人気の高い作品が多数挙がりました。「これも学習マンガだ!」にも選出されている『ヒカルの碁』『ゴールデンカムイ』などのタイトルも挙がっています。

トークショーの中でも触れられていたとおり、70年代の作品である『ブラック・ジャック』から90年代の『SLAM DUNK』『彼氏彼女の事情』、近年のヒット作『ダンジョン飯』『文豪ストレイドッグス』まで、幅広い年代の作品が選ばれており、最新の流行作だけでなく、少し前のマンガも広く読まれていることが見て取れます。

 

Q2.人生を学んだマンガ作品はありますか? その作品は?

▼「ある」と答えた人の回答

・『NARUTO』  ・『ブラック・ジャック』  ・『ヒカルの碁』  ・『文豪ストレイドッグス』

・『それでも町は廻っている』  ・『NANA』  ・『ONE PIECE』  ・『彼氏彼女の事情』

・『ソラニン』  ・『重版出来!』  ・『秋吉家シリーズ』  ・『ローゼンメイデン』 ほか

 

「マンガに人生を学ぶ」という発想にはあまりピンと来ないのか、「ない」という回答の割合も低くなく、挙がっているタイトルもQ1と重複するものが大半でした。そんな中で、「これも学習マンガだ!」にも<職業>ジャンルで選出している『重版出来!』が挙がっているのは、“マンガを学ぶ”学校の生徒ならではというところでしょうか。

 

Q3. マンガ家を目指していますか?

 

Q4.マンガ家を目指している人に。マンガ家を目指すきっかけになったマンガは何ですか?

 

・『ONE PIECE』 ・『NARUTO』 ・『ヒカルの碁』 ・『ダンジョン飯』

・『月刊少女野崎くん』 ・『SLAM DUNK』 ・『王家の紋章』 ・『素肌の放課後』

・『鋼の錬金術師』 ・宮崎駿作品 ほか

 

やはりQ1と重複する回答が多くを占めており、「一番好きなマンガ=マンガ家を目指すきっかけの作品」であった人が多いようです。マンガに深く感動した経験から、自分もマンガ家になりたいと考えるということでしょうか。そんな中で、少女マンガ家が主人公の『月刊少女野崎くん』が挙がっている点も興味深いです。

 

Q5.マンガは電子書籍・WEBと紙の本、どちらで読みますか?

紙の本のほうがやや優勢ながら、ほぼ拮抗した結果となりました。

併用している可能性も含め、この感覚も日本とほぼ変わらないのではないでしょうか。

 

【まとめ】

日本でヒットしている作品は、ほぼタイムラグなく台湾でもよく読まれていて、それがきっかけでマンガ家を志す人もいるようですが、「これも学習マンガだ!」が推進する「マンガで学ぶ」という発想には馴染みがない人も多いように感じられる結果となりました。

これからは海外のマンガ読者にも、より広く、深く、多くのマンガに触れてもらえる機会を、もっと増やしていけると良いのではと思います。

 

 

マンガ所蔵冊数4000冊! 新北市立図書館訪問記

 

続いてお送りするのは、現地の図書館の訪問レポートです。

6月15日、トークショーにも登壇した有馬啓太郎先生が、新北市立図書館を訪問。

マンガ担当スタッフに「これも学習マンガだ!」の取り組みについてお話しするとともに、図書館でのマンガ事情について聞かせていただきました。

台湾の図書館でもマンガは大人気。多くの図書館でマンガが置かれていて、マンガ専門の図書館もあるそうです。

ここ新北市立図書館でも専用のコーナーが設けられており、およそ4000冊のマンガが揃っています。棚が半分ほど空いているのは、“貸出中”だから。

ちなみに新北市立図書館では、一人一回につき20冊まで借りることができる決まりになっているとのこと。

 

「これも学習マンガだ!」選出作品では、『風の谷のナウシカ』『家裁の人』『神の雫』『キングダム』などが所蔵されていました。

この時は貸出中で棚にありませんでしたが、ほかにも所蔵している作品があるそうです。

 

選書はふだん、一般公募で行うアンケートの回答を参考にしながら、選書専門の“選択チーム”が行う形をとっているそう。

「これも学習マンガだ!」の選書リストも今後、“選択チーム”で選書の参考にしていきたいとのことでした。

 

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「これも学習マンガだ!」では今後も国内外に向け、様々な取り組みを通じて「マンガで学ぶ」ことのPRを行っていきたいと考えています。

アンケートにご協力いただいたみなさん、新北市立図書館さん、ありがとうございました!