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逃げるは恥だが役に立つ

逃げるは恥だが役に立つ にげるははじだがやくにたつ

著者
海野 つなみ
出版社
講談社
発刊状況
完結

「結婚」の意味を改めて問う

契約結婚の夫婦をモデルに考える、十人十色の恋愛・結婚観

推薦コメント

奥手な30代理系男性と普通の(?)20代女性の、「雇用主」と「従業員」としての「契約結婚」を描いた作品。しっかりと愛情を育んでいきながらも、この2人の関係性には、「愛情」という形のないものを担保になにかをごまかすような、あいまいな部分がないところがユニークだ。主人公たち以外にも、50代独身バリキャリ女性、ゲイの男性、モテるが結婚願望はないイケメン独身男性…と、とにかく多彩な人物が登場するが、そこに注がれる作者の視線はきわめてニュートラルで、静かで、客観的。冷たく突き放すわけでも、誰かの立場に肩入れしているわけでもない。この世界では誰もがお互いを尊重し合い、しっかりとコミュニケートしながら生きているのだ。あらゆる「社会的なあり方」が否定されないその様子は、現代社会の理想像のひとつといえるかもしれない。読んだ誰もが、恋愛観・結婚観について何らかの知見を得られる一作。

ヤマダ トモコ(マンガ研究者 / 米沢嘉博記念図書館)

  • 発刊状況は2020年10月1日時点のものとなります。

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