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疾風の勇人

疾風の勇人 しっぷうのはやと

小学生からOK
著者
大和田秀樹
出版社
講談社
発刊状況
完結

政治家ってカッコよかった!

日本の高度経済成長期を司った男たちの政治活劇

推薦コメント

敗戦、占領、混乱、復興、独立、高度成長、それらを貫く政争のかずかず。日本 史上、最も熱い政治の季節を描いた活劇。地味に扱われがちな池田勇人をスマートで豪放な主人公に据え、サブに超イケメン化した佐藤栄作。田中角栄も男前だ。親分の吉田茂、子分の大平・宮澤、対抗する鳩山ら他の首相経験者も個性的すぎる。ドイツや韓国のような国家分断を免れ、クーデターもなく、経済成長を果たした20世紀後半は、これら強烈な政治家たちによる体を張ったせめぎあいに負うところが大きい。主人公たちは官僚上がりや地方叩き上げ。二世、三世ばかりの今の政治とは異次元の迫力がみなぎる。現代史を学ぶテキストとしてもってこいの書。しかし主人公が首相となる前に作品が終了したのは誠に残念。安保闘争で倒れた岸内閣に替わり、所得倍増計画と国土開発を推進、ガンに冒されつつ東京五輪を乗り切って死ぬ、首相としてのドラマも見たかった。続編を待つ。

中村 伊知哉(iU学長)

  • 発刊状況は2020年10月1日時点のものとなります。

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