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忍者武芸帳 影丸伝

忍者武芸帳 影丸伝 にんじゃぶげいちょう かげまるでん

著者
白土 三平
出版社
小学館
発刊状況
完結

現代マンガの大きな一里塚

戦国時代、影丸と影一族の息継ぐ間もない戦いの物語

推薦コメント

1960 年頃に発表された貸本マンガの金字塔です。3000 ページ近い大長編で、登場人物の多様さといい、物語の豊かさといい、マンガが生んだ特筆すべき大河ドラマと言っていいでしょう。舞台は戦国時代。下克上・農民一揆の戦乱を背景に、大名、剣客、僧侶、盗賊、農民、戦争孤児たちなど多様な階級・境遇の人物が登場し、それぞれの野望、利害、意思をからませあって、息継ぐ間もない戦いの物語が進みます。主人公は、一揆を起こす農民の側に立ち、巧妙な戦術を駆使して支配者と戦う忍者、影丸と影一族。影丸は捕らえられ、八つ裂きにされ、首を晒されても不敵に笑う謎の怪人です。忍者の抗争は苛烈で、時に描写はリアルで残酷ですが、その抗争と、織田信長・明智光秀・蓮如など歴史上の人物が巧みに織り合わされた骨太なドラマ展開は当時の読者を熱狂させました。「大学生がマンガを読む」とマスコミに騒がれるきっかけになった作品です。現代マンガの大きな一里塚を一気読みしてください。50 年たっても途中でやめられない面白さです。

由利 耕一(元マンガ編集者)

  • 発刊状況は2020年10月1日時点のものとなります。

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