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ヘテロゲニア リンギスティコ~異種族言語学入門~

©瀬野反人/KADOKAWA

ヘテロゲニア リンギスティコ~異種族言語学入門~ へてろげにありんぎすてぃこ

小学生からOK
著者
瀬野 反人
出版社
KADOKAWA
発刊状況
完結

新人研究者の「異世界言語学研究」の旅

“異世界”のモンスターたちとどうやってコミュニケーションを取る?

推薦コメント

一言でいえば「異世界言語学研究」本。異文化どころではない“異世界”のモンスターたちとコミュニケーションを取り、理解しようとする新人研究者のフィールドワークを描いている。けがをした教授に代わって新人研究者のハカバ君が向かったのは、モンスターたちが暮らす「魔界」。ガイド役の、モンスターと人間の中間のような子供のススキと共に、言葉が通じないモンスターたちとコミュニケーションを取りながら旅をする。ボディーランゲージも含むモンスターたちの言語は■□や→、書き文字など独特の表現で描かれており、ハカバ君がその意味を類推する過程は謎解きのようで楽しい。旅の途中で橋を架けたり、食べ物や泊まるところを探したり、同業者の言語学者のモンスターと出会ったりするなど、ハカバ君は旅の途中でさまざまな体験をする。理解できたら喜び、まったく分からず苦悩するその姿を見て、読んでいるこちらも一喜一憂。言語学者の思考回路や研究の仕方も分かり、将来研究者になりたい人の入門書としてもおすすめだ。

細田 尚子(株式会社 MANTAN 元総編集長)

  • 発刊状況は2020年10月1日時点のものとなります。

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