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カジムヌガタイ

カジムヌガタイ かじむぬがたい

小学生からOK
著者
比嘉慂
出版社
講談社
発刊状況
完結

「沖縄」を考える糸口に

第二次世界大戦、全土が戦場となった沖縄で日本軍が何をしたのか

推薦コメント

ここで描かれていることは、なかなか信じられないかもしれない。第二次世界大戦中の終盤、アメリカ軍の直接の侵攻を受け、ほぼ全土が戦場となった沖縄。今でも日本にある米軍基地の70%が集中し、論争の的となっている沖縄。沖縄戦の最中、最も恐ろしく理不尽だったのは、アメリカ軍ではなく、住民を守ってくれるはずの日本軍の所業だった。住民の避難所を軍が奪い、住民を戦火の中に追い出す。住民の食料を軍が奪う。自分の勝手な判断で、住民たちに、村を捨てマラリアが猛威を振るう島に疎開することを強要する。もちろん立派な日本兵もいた。だが、ここに描かれていることも、残念だがほんとうだ。私たちはその事実から目を背けてはならない。そして同時に、私たちが見逃してはならないのは、そんな状況に抗い、誇りをもって抵抗しようとした沖縄の人々の姿だ。同じ作者の『美童物語』や『砂の剣』とあわせて、ぜひあなたが「沖縄」を考える糸口にしてほしい。

藤本 由香里(明治大学 国際日本学部教授)

  • 発刊状況は2020年10月1日時点のものとなります。

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