MENU
虫と歌-市川春子作品集-

©市川春子/ 講談社

虫と歌-市川春子作品集- むしとうた いちかわはるこさくひんしゅう

小学生からOK
著者
市川春子
出版社
講談社
発刊状況
完結

不思議で、美しくて、残酷で

独特の世界観で展開される、「人ならざる何か」の物語4編

推薦コメント

自分の指から生まれた妹への思いを語った「星の恋人」。飛行機事故で生き残った2人の意外な形の別れを描いた「ヴァイオライト」。肩を壊した高校球児と成長を続ける変な形の“イキモノ”ヒナとの心の交流を表現した「日下兄妹」。3人の兄妹が暮らす家に夜のやってきた“虫”の弟とのきょうだいの絆を描いた「虫と歌」の4編の短編集。  おとぎ話のような残酷さを含んだ独特の世界観とシンプルな絵のタッチで描く擬人化ファンタジー。人の形をした人ではない何かと人との交流を描き、人間とは何か、生命とは何かを問いかける。擬人化マンガだが、何が擬人化されているのかはっきりと描かれていないものもあり、読み手の読解力が問われる。だが、それはさまざまな受け取り方ができるという長所でもあり、何度読んでも新たな発見があり、底知れぬ奥深さを持っている。

細田 尚子(株式会社 MANTAN 元総編集長)

  • 発刊状況は2020年10月1日時点のものとなります。

同じ「2 生命と世界」カテゴリ