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1文学

徒然草―マンガ日本の古典 つれづれぐさ まんがにほんのこてん
小学生から OK
- 著者
- バロン吉元
- 出版社
- 中央公論新社
- 発刊状況
- 完結
700年前の「つぶやき」をマンガに
鎌倉時代末期の随筆をマンガの名手が描くと
- ※発刊状況は 2017 年 10 月 1 日時点のものとなります。
- ※小学生から OK はあくまで委員会の判断による目安となります。
推薦コメント
「徒然草」は鎌倉時代末期に吉田兼好(兼好法師)が書いた随筆。教養たっぷりの筆者が皮肉を込めて世を眺めたり、素直に色恋の味わいを述べたり、生の無常を呟いたり…が、全243段に綴られている。絵の名手バロン吉元氏は、この243全段を、短いものは一コマ、最長で5ページで描ききっている。それらの一コマずつを原作の文章と照らし合わせて味わうのも一興。作者のバロン吉元氏は「この作品が描かれた時代は後醍醐天皇の治世。その政治に対する批判精神が兼好法師にはあったのでは?」と見ている。いつの世も政権への批判はあるが、それをどう表現するかがセンスと実力なのだろう。243段全て描ききったラストページにはバロン氏のオリジナルで「無常」を表現する1ページが付け加えられている。兼好法師もきっと満足だろうと思わせるページだ。
里中 満智子(マンガ家 / マンガジャパン代表)
里中 満智子
Machiko Satonaka
マンガ家 / マンガジャパン代表
1948 年1 月 24日大阪生まれ。1964 年(高校 2 年生)に『ピアの肖像』で第 1 回講談社新人漫画賞受賞。代表作に『あした輝く』『アリエスの乙女たち』『海のオーロラ』 『あすなろ坂』『狩人の星座』『天上の虹』 など多数。2006 年に全作品及び文化活動に対し文部科学大臣賞、2010 年文化庁長官表彰、2013 年度古事記出版大賞太安万侶賞(『マンガ古典文学 古事記』)、2014 年外務大臣表彰。公益社団法人日本漫画家協会常務理事 / 一般社団法人マンガジャパン代表 / NPO 法人 アジア MANGA サミット運営本部代表 / デジタルマンガ協会会長 / 大阪芸術大学キャラクター造形学科学科長など。