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ペルセポリス イランの少女マルジ

ペルセポリス イランの少女マルジ ぺるせぽりす いらんのしょうじょまるじ

著者
マルジャン・サトラピ(著) 園田 恵子(訳)
出版社
バジリコ
発刊状況
完結

マンガで知るイスラム社会と文化

イラン革命を経験した少女マルジの自伝的作品

推薦コメント

この作品は、イランで生まれ育ち、世俗的・親米的な王政からイスラム国家への転換である「イラン革命」を経験した少女マルジ(=作者)の自伝的作品です。王政につながる彼女の親戚には投獄された人も複数いて、知人が捕まって処刑された話も出てきます。日本の感覚からするとびっくりするような話も多いのですが、西側の国に渡航を許された母親が帰りに、マルジが大ファンのロックグループのポスターをコートの裏地の下に縫い込んで隠して持ってきてくれるなど、意外とたくましいエピソードも。イスラム文化の中でも自分を譲らないマルジは結局、ヨーロッパに亡命し、フランスでマンガ家になります。評判になったこの作品は、カトリーヌ・ドヌーブとその娘を声優としたアニメ映画にもなっています。イスラムの社会と文化への足掛かりにもなり、また、同じモノクロでも日本のマンガとは違うタッチも、「外国のマンガ」という異文化への扉を開いてくれるでしょう。

藤本 由香里(明治大学 国際日本学部教授)

  • 発刊状況は2020年10月1日時点のものとなります。

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